K高校 硬式野球部へ定期訪問|「やってあげる」ではなく、選手が自分で守れる爪へ
定期訪問でみえた、爪ケアを続けるための環境づくり
スポーツ選手の爪トラブルは、痛みが強くなってから気づくこともあります。けれど実際の現場では、「少し欠けた」「割れそうで不安」という段階で、すでにプレーに影響していることがあります。
先日、14時から強豪校のK高校野球部へ定期訪問しました。この日は5回目の訪問日でした。
3年生は他県の高校との練習試合に出ていたため、今回は1・2年生を中心に対応しました。
グラウンドに到着後、出発前の3年生の選手が「爪が割れたので見てください」と私に駆け寄り、声をかけてくれました。立ち話の中で確認したところ、大きな欠けではなかったため、必要以上に不安にならなくて大丈夫だと伝えました。

選手がすぐ相談してくれる関係になっていたことは、今回の訪問で印象に残った場面です。
その後、監督に挨拶をし、いつものトレーニングルームへ移動しました。
室内では身体の調整を受けている選手もいたため、その横でホワイトボードを準備。
1・2年生のピッチャーを集めてこれまでの復習から始めました。
今回は、これまで伝えてきた内容の復習から始めました。
爪の正しい形の整え方、道具の選び方、日常のケア方法などを確認しました。
私が特に気になっていたのは、前回の訪問時に設置した、練習後の手洗い用クレンジング剤の減りが少なかったことです。
「面倒で使っていないのかな…」と思い、選手に聞いてみると理由は別にありました。

クレンジング剤はマネージャーに言わないと出してもらえない状態になっていて、選手が練習後すぐに使える環境ではなかったのです。これは選手の意識不足ではなく、使うまでの流れが整っていなかったことが原因でした。
そこで今回は、マネージャーに練習の準備がひと通り終わったら、早めに洗い場へセットを出しておくようにお願いしました。
練習中や練習後に選手がいつでも使えるようにし、練習後の手洗いが一通り終わったら、室内に保管してもらうようお願いしました。
爪ケアは「使ってください」と伝えるだけでは続きません。選手が自然に使える状態を作ること、ただ伝えるだけでなく、実際に行動につながるように伝えることが現場では大切だと改めて実感しました。
この日は時間があったため、1年生5名、2年生13名、合計18名を個別に見ることができました。爪の悩みがない選手もいれば、爪が割れてプロテクターを装着した選手もいれば、やすりの正しい使い方を学んだ選手もいました。

爪の状態は一人ひとり違います。長さ、切り方、乾燥、割れ方、道具の使い方によって、必要な対応も変わります。だからこそ、全体講義だけでなく、個別に確認する時間が必要だと感じています。
私が大切にしているのは、私がその場で「やってあげる」ことではありません。
私がその場で整えることはできますが、選手の爪にまた同じようなトラブルが起きた時、選手自身が自分で何もできなければ、また困ってしまいます。
現場では、いつも専門家が近くにいるわけではありません。
試合前、遠征先、自宅で爪が割れることもあります。だからこそ、選手自身が自分の爪を知り、必要なケアや応急的な対応を考えられるようになることが重要です。
爪のトラブルは毎回同じ形では起こりません。欠け方も、割れ方も違います。その時の状態に合わせて、どう判断し、どう対処するのか。私はそれを繰り返し伝えています。
爪トラブルが起きてから慌てるのではなく、普段から爪や指先の状態にも目を向けてほしいと思います。ちょっとした引っかかりに早く気付き、早めに対応することで、トラブルの予防につながります。
爪のトラブルで不安がある選手、またはチーム全体で爪ケアを取り入れたい学校・指導者の方は、一度ご相談ください。現場に合わせて、選手が自分で爪を守れる知識とケア方法をお伝えしています。