2026.10.04

爪のピンク色は、爪そのものの色ではない

爪のピンク色は、爪そのものの色ではありません

爪は、私たちが思っている以上に面白い構造をしています。

まず、表面に見えている爪は「角質」です。
髪の毛と同じように、すでに角質化した細胞でできています。

だから、爪を切っても痛くありません。
爪の先端には神経も血管も通っていないからです。

ただし、ここで勘違いしてはいけないことがあります。

表面に出ている爪は角質ですが、爪を作っている場所は生きています。

爪の根元には「爪母」と呼ばれる部分があります。
ここで新しい爪が作られ、少しずつ先端に向かって伸びていきます。

つまり、今見えている爪は、爪母で作られたものが時間をかけて前へ伸びてきたものです。

爪は、根元で作られて、先端に向かって伸びる。

この基本を知っているだけで、爪のトラブルの見方が変わります。

たとえば、爪が割れた場合。
割れた部分がその場で自然にくっつくわけではありません。

爪は皮膚の傷のように、下から新しい皮膚が盛り上がって治るものではありません。
割れた部分が再び元通りにくっつくことはありません。
できるのは応急処置です。
爪が伸びることで少しずつ先端へ移動していくのを待つしかないのです。

だから大切なのは、割れた爪を補強することではなく、これ以上割れを広げないこと。
今後は割れにくい爪が伸びてくる環境を整えること。
新しく伸びてくる爪が良い状態で伸びてこられるように、爪と指先の環境を整えることです。

次に、爪のピンクの部分についてです。

爪のピンク色は、爪そのものの色ではありません。
爪の下にある「爪床」という皮膚が透けて見えている色です。

爪床には血流があり、その色が爪を通して見えるため、爪はピンク色に見えます。

このピンクの部分は、見た目だけの問題ではありません。

爪と爪床がしっかり密着している部分が多いほど、爪は安定しやすくなります。

反対に、爪が浮いたり、剥離したりすると、ピンクの部分が短く見えることがあります。

野球の投手で、爪の先がどんどん深爪のようになっていく選手がいます。

その中には、爪を薄く削ったり、爪の横をえぐるように短くしたり、爪の下の汚れを硬いものでほじったりしているケースがあります。

本人は「爪を守るため」「投げやすくするため」と思ってやっている。

でも、その自己流のケアが、かえって爪と爪床の密着を弱くしていることがあります。

爪のピンクの部分が短くなってきた。
爪の下に白く浮いた部分がある。
同じところが何度も割れる。

このような場合は、爪そのものだけでなく、爪床や指先の皮膚の状態も一緒に見ていく必要があります。

爪は小さな部分ですが、アスリートにとっては大切な道具の一部です。

野球なら、ボールを握る、投げる、バットを握る。
バレーボールやバスケットボールなら、指先に衝撃がかかる。
サッカーなら、足の爪に踏み込みやシューズ内の圧迫がかかる。

競技によって負担のかかり方は違いますが、共通して言えるのは、爪と指先はセットで見る必要があるということです。

爪だけを見ると本当の原因が見えないことがあります。

爪を作っている根元。
爪が密着している部分。
爪のまわりの皮膚。
指先の乾燥や硬さ。
そして競技中にどのような力がかかっているのか。

これらを合わせて見ることで、その人に必要なお手入れが見えてきます。