爪を健康に保つには:内側と外側からのケアが大切
爪が栄養を受け取る順番
爪は一般的に身体の中で栄養素を受け取る優先順位が低い部分です。なぜなら、爪がなくても生命活動には直接関係がないからです。身体はまず生命維持に必要な心臓や内臓に栄養を優先して送り、その後に爪や髪のような末端に栄養が回ります。そのため、爪が弱くなったり割れやすくなる原因の一つは、身体に必要なタンパク質が不足し、爪に十分な栄養が届かないことです。
爪の構造と必要な栄養素
爪や髪の毛は「ケラチン」というたんぱく質でできています。ケラチンには硬ケラチン(爪)と軟ケラチン(髪)の2種類があり、それぞれの構造が強度や機能を決めています。年齢を重ねると爪がもろくなったり、髪がパサついたりすることが増えますが、その一因は摂取するたんぱく質量が減少し、優先順位の低い爪や髪に栄養が届きにくくなることです。
爪を健康に保つためには、意識してたんぱく質を摂取することが必要です。一般的に体重1キログラムあたり最低1グラムのたんぱく質を摂ることが目安です。例えば、体重が50キログラムの人であれば、1日に最低50グラムのたんぱく質を摂ると良いでしょう。具体的には、鶏むね肉やささみ、赤身の牛肉、高野豆腐、卵、豆類などがたんぱく質の良い供給源です。これらは手軽に取り入れやすく、爪の健康を支えるのに役立ちます。
内側と外側からのケアが必要
爪が割れる主な原因には乾燥と栄養不足があります。乾燥が原因の場合、保湿をすることで改善が見込めますが、多くの場合、外側からのケアだけでは不十分です。爪を健康に保つためには、内側からのケア(栄養の摂取)が重要で、外側からのケアと比べてより大きな影響を与えると考えられています。保湿はもちろん重要ですが、それと同時に体内から必要な栄養素を補うことが、健康な爪を育てる鍵です。
指先の血流を改善する
爪の健康を保つためには、指先の血流を良くすることも重要です。指先には毛細血管が非常に多く、これらの血流が悪いと爪に栄養が届きにくくなり、成長や代謝が妨げられます。日常的に指先を軽く押さえてマッサージをすることで血流を促進し、爪の健康を支えましょう。具体的には、指先を軽く1~2秒握って圧迫したり、軽く円を描くようにマッサージするのが効果的です。
爪の成長について
爪は一度表面に現れると、それは「死んだ組織」となります。つまり、一度傷ついたり割れたりした爪は、皮膚のように修復することができません。ただし、爪の根元部分(爪母)は生きており、爪全体の健康を支えています。そのため、健康な爪を育てるためには、新たに生えてくる爪のケアを意識することが重要です。手の爪は1日に約0.1ミリ、1ヵ月で約3ミリ伸びます。1本の指の爪が全て新しく生え変わるには約3ヶ月かかります。この期間中、しっかりと内側と外側からのケアを行い、健康な爪が育つようサポートしましょう。
健康な爪を保つためのポイント
爪を健康に保つためには、次の3つのことを心がけましょう。
- たんぱく質を十分に摂ること:体重1キログラムあたり1グラムを目安に、毎日の食事にたんぱく質を取り入れましょう。鶏むね肉やささみ、高野豆腐、納豆、卵など手軽に取り入れやすい食品を選ぶと良いです。
指先の血流を良くすること:日常的に指先を軽く押さえてマッサージすることで、血流を促進し、爪に栄養を届けます。
保湿を心がけること:乾燥は爪が割れる大きな原因です。外側からも保湿を行い、爪の状態を良く保ちましょう。
健康な爪は、毎日のちょっとしたケアの積み重ねで育ちます。内側と外側のケアをバランスよく取り入れて、健康な爪を目指しましょう。