都内U高校での定期訪問:全員爪チェックで見えた課題と気づき
先日、都内のU高校・硬式野球部への定期訪問に行ってきました。
これまでは毎回グラウンドでの活動でしたが、今回は校内で「身体測定」「トレーニング」「座学」が行われており、初めて校舎内での活動になりました。
夕方の授業後に伺い、身体測定やトレーニングの合間を縫って面談を実施。
当日はかなりタイトなスケジュールだったため、ひとりずつ長く相談する時間は取れませんでしたが、これを機会に選手全員の爪チェックを行うことにしました。
🔍 全員チェックで見えてきた実態
これまで他校でも感じていたことですが、「爪に問題があっても自覚していない生徒」が非常に多いです。
「これで普通」「痛くないから大丈夫」と思い込んでいるケースがほとんどで、希望者のみの面談では見落としてしまうことが多いと感じています。
今回、24名全員の手足の爪をチェックした結果は以下の通りです。
手のトラブル:3名
手のマメ:1名
足の爪に指導が必要:20名(約83%)
- 24名中20名(約83%)が足の爪に指導が必要で、そのうち16名が深爪でした。
つまり、**全体の約67%、指導対象の8割が“巻き爪予備軍”**という結果でした。
🦶 よくある2つの傾向:「切りすぎ」と「長すぎ」
足の爪のトラブルの入り口は両サイドを深く切りすぎて“おにぎり型”になる爪と長すぎる爪の2パターンです。
【写真①:おにぎりタイプ】

多くの生徒が、上写真のように両端に爪切りの刃を入れ込み過ぎて、「おにぎり型」になっています。一見きれいに切っているようでも、これが巻き爪の入口です。
サイドを深く切ると爪先の指のお肉が盛り上がり、爪が伸びる際に皮膚に食い込みやすくなり、痛みや炎症の原因になります。
それが不快で更に深く切る、のループに入って抜け出せなくなってしまいます。
【写真②:長すぎタイプ】

一方で、爪を長めに残しすぎタイプ。
深爪にならないように気を付けた結果、靴の中で先端が押されてしまうほど伸びていて
別の爪トラブルが発生します。
どちらのタイプも、正しい長さと形を理解していないことが共通しています。
整え方を知らないままなんとなく切っている状態でした。
🧭 定期チェックの意味と目的
足の爪の整え方については、これまで選手たちには講義の中でも説明してきましたが、
実際に高校生がそれを身につけるのは簡単ではありません。
頭では理解していても、実際に自分の足でやってみると難しい。
だからこそ定期的にチェックして、正しい切り方が自然に身につくまでサポートすることが大切です。
1か月ごとの定期訪問には、次のような意味があります👇
-
手の爪は1か月で約3ミリ、足親指の爪は1.5ミリ伸びます。(成長期の高校生はもっと伸びます)
その間に手は数回、足は少なくとも1回は選手たちは自分で切る機会があります。 -
その「切り方」を毎回確認し、少しずつ修正していく。
つまり定期訪問は
「自分で正しく切れるようになるまで伴走するトレーニング」でもあります。
💡 巻き爪は「気づかないうちに始まっている」
私は普段、サロンで巻き爪補正を行っていますが、来店される方の多くは50代以降。
「気づいたら巻き爪になっていて、ここ数年痛みが我慢できなくなった」とおっしゃる方がほとんどです。
しかし、その「始まり」は本人が感じている「数年前」ではなく、実は高校生の頃からすでに始まっているのではないかと感じました。
18歳の頃は痛みや違和感に鈍感で、深爪や誤った整え方を繰り返し、そのまま何十年も経つ。
その結果、40代・50代になってから痛みに悩まされてしまうのです。
爪の正しい切り方は誰も教えてくれないので、当然と言えば当然です。
🌱 今回の気づき
今回の全員チェックは、まさにその「入り口の入り口」に気づく良い機会になりました。
今後も、定期的にチェックしながら、正しい整え方が“習慣”として定着するまで見届けることが大切だと実感しました。
次回は、可能な限りひとりひとりに足の爪の整え方・カット方法を具体的に指導していく予定です。